翻訳会社 株式会社アクチュアル 中国語翻訳サービスの中国語翻訳スタッフが書いたコラム (1)です。
ご好評を頂いております。
間違いのない翻訳はありません。翻訳は間違いがあるのを知りながらやるべきです。 言葉は意思伝達のための符号です。
これらの符号が体系的に存在しているから、その中の一部を取って訳すと、
『必ず意味のずれが生じる』 はずです。
この意味で、 『間違いのない翻訳はない』と言えます。その体系的な違いは文化の違いとして理解する事も出来るでしょう。
例えば、英語に“dragon”という言葉があります。これを中国語に訳しますと、 『竜』 になります。しかし、“dragon”は本当に 『竜』 でしょうか。
ご存知のように、聖書に登場している“dragon”は火を吐く悪魔のような存在で、雲の中を飛んで降水したりする優しい神様の 『竜』 と雲泥の差があります。
ですが翻訳者としては、“dragon”の事を『竜』 としか訳せません。間違いがある事を知りながら、そうせざるを得ないのは仕方のない事です。
爆弾自体は危険ではありませんが、その危険性を知らずに扱うのは危険です。翻訳もそうです。意味のずれがあるのは仕方のない事ですが、その 『ずれを考えずに訳す』のは危険です。
中国語に 『ニーハオ』 という言葉があります。これは 『こんにちは』 と訳されるのが当然のように見えます。しかし、この二つの言葉は本当に同じでしょうか。
あるいは全ての場合において『こんにちは』 で良いのでしょうか。 私は決してそうは思っていません。
私見になりますが、 『こんにちは』 は 『今日はいかがでしょうか?』 と、相手の状況を尋ねる言葉からきた挨拶だ、と考えられます。しかし、『ニーハオ』 はどうでしょうか。明らかにこれは相手の事をほめる発想です。
大陸国家では一般的に言うと、味方か敵かをまずはっきりさせる傾向がある、と考えられます。例えば『握手』はお互いに武器をもっていない事を確認するためのものでした。
『ニーハオ』 を直訳しますと『あなたは良いです』 になります。本当にこう訳したら、大抵笑われる、と思いますが、その語源を考えると、こちらの方がもっと妥当かも知れません。
個人的な経験では、“You are very sexy”を 『ニーチーロマ』に訳した事があります。
これは 『ご飯を食べましたか?』 の意味です。挨拶言葉として 『こんにちは』 の効果で使われる事があります。
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